夏といえば海?山?正解は「塩」だ!

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    気づけば夏。ただでさえフィジカルの弱いデザイナーという人種から、水分とともに体力と集中力を根こそぎ奪っていく夏。体調を崩さず乗り切るのは大抵のことじゃない。とくに熱中症は怖いので、個人的には定期的な水分(という名のビール)補給のほか、適量の塩分摂取を心がけている。

    思えば「減塩」はブームを超えて健康のデフォルトになった風潮があるが、そのせいだろうか、塩というのは調味料としてみてもあまりフューチャーされず、サッカーのDFさながら、地味なポジションに甘んじているように思う。スーパーで見つけた「減塩しお」という商品は、むしろオウンゴールしてる気もするが、世論をわかりやすく象徴している。



    塩は、それ自体は栄養にならない。カロリーもないし、ビタミンもない。じゃあなにをするかというと、摂取した栄養素を体内に取り込む役割をもっている。用が済むと代謝され体外に排出される。うん、やはり地味だ。しかし、これは言葉以上に重要な役割。逆に言えば、塩分が不足すると、せっかく取り入れた栄養をうまく吸収できないのだ。人間だけじゃない。肉食動物も草食動物も、鳥も昆虫も、方法は違えど必ず何らかの方法で塩分摂取を行っている。塩分がないと生命は維持できない。

    世界経済は「塩」から始まった、かも?

    日本人的な感覚かもしれないが、塩というのは海からいくらでも採取できる無限の調味料のように思っていた。ところが、実際に塩を安定供給するには相応の工夫があった。「敵に塩を送る」とは、上杉謙信が武田信玄に塩を援助したという逸話に由来するが、実際塩が入手困難なケースはよくあったそうだ。木を切って海に流して回収して焼いて、それでなんとか塩を集めてた地域もあるらしい。海に囲まれた日本でもそんなだから、世界的にはもっと死活問題。多くの地域で塩といえば岩塩。石油と同じで、取り続ければいつか枯渇する。最も重要な栄養素でありながら有限。その貴重さから、塩は国が管理するケースが多かったようだ。サラリーマンやソルジャーの語源が「塩を得る人」に由来するという逸話がある。なるほど、そう考えると、経済や戦争は塩を中心に動いていたと言っても、あながち言い過ぎではないかもしれない。現代の科学的な製塩方法がなかったら、人は今でもお金の代わりに塩で雇われていてもおかしくはなかった。いや、それは言いすぎか。



    サラダの語源も「塩」

    この季節は、コミュニケーション能力が欠乏しているくせに家庭菜園に手を出した人間(筆者)は悩むことになる。夏野菜を畑いっぱいに植えた最初の収穫は実に楽しい。「初物は笑って食え」と、トマトもきゅうりも恵方巻きよろしくまるかぶりしていたが、大量収穫が2度3度と続くと、そろそろ困ってくる。とくに今年は茄子の勢いがすごくて、既にありとあらゆる献立を試したが、畑には既に次の軍勢がすずなりで待機していて、いっこうに減る兆しがない。嬉しい悲鳴だが、このままだとプールに入ったわけでもないのに唇が紫色になりかねない。対策を講じねば。

    夏野菜を効率よく消費しつつ、しかもウマイ食い方とは?茄子はともかく、トマトや胡瓜なんかは、そのままばりばり食ってしまえばいい。もぎたてのトマトの甘み、フルーツのような香り。筆者の粗末な腕でもできる、全然いがらっぽくないみずみずしい胡瓜。茄子は、焼き茄子や蒸し茄子がシンプルでいい。いずれもそれだけでじゅうぶんうまいが、塩があるとなおのことよい。野菜を塩で食う。実は、これがサラダのはじまりだそうだ。

    今でこそサラダといえば、ドレッシングが主流だが、そもそも「サラダ」は「塩をかける」という意味。某タレントの「エビフライはタルタルソースを食べるための棒」発言に驚いている場合じゃない。サラダもまた、塩を摂取するための触媒だったわけだ。

    塩に近い?「トスサラ」

    さすがに塩での味付けは単調であり、バリエーションを楽しみたくなるのが人情。かといってドレッシングドバドバは、なんというか、野菜に申し訳ない気もする。何か良い方法はないか。

    そんなことを考えていたら、これまたスーパーで面白いアイテムを見つけた。味の素の「トスサラ」というドレッシング。ドレッシングといっても、オイル状ではなく、どちらかというとふりかけに近い。もいできた野菜を適当に切って大量に皿に盛り、トスサラをこれまた適当にふりかける。これだけでも結構オサレ感があるから便利。サラダフォークでまぜると、水分の少ない野菜ともよく馴染み、しっかりと味がつくのに素材の味を損なわない。オイルのように液ダレしないのもポイント。液状だと物理的に下に移動してしまい、総じて必要以上に使う傾向になるし味にムラも出る。比べると、トスサラのほうがサラダのフレーバーとしては理想的かもしれない。むしろなんで今までなかったんだ?と、思わずつっこみたくなるが、ドラえもんのひみつ道具「フエルミラー」を放置したかの如く、ねずみ算式に野菜が増え続けるこの季節、こういうアイテムは断然ウェルカムだ。


    3タイプのフレーバーからお好きなものを。イタリアンバジルは使い勝手がいいな。

    繰り返しになるが、夏だ。クライアントの無茶ぶりが熱帯夜とともに睡眠を奪う夏。まだはじまったばかりの夏。畑の作物共に負けず劣らず、精力的に過ごせるよう、適度な塩分摂取を心がけたい。ただし、ギャラは塩ではなく「円」でお願いします



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