今更ながら、3Dダンジョン型RPGがすごかったと思う。

0
    RPGの王道といえばドラクエかFFだった時代、なんとなく感じた違和感。2等身のカワイイプレイヤーキャラクターが常に画面中央に位置し、本来見えない場所も 空から見えている視点はどこか他人事のようで、ロールプレイしている感覚が薄い。もっとストイックでダークでシビアでリアルでセンシティブな冒険を求めたRPGファン(というか筆者)は、次々と3DダンジョンRPGに赴くことになる。

    ダンジョンRPGの視点はドラクエ的俯瞰タイプとWiz的擬似3D(いわゆる2.5D)の2系統が主流だけど、これはCRPG黎明期あらゆる視点システムが模索され、洗練されてきた…わけじゃない。Ultimaの原点、ひいてはCRPGの原点である「Akalabeth」が、恐ろしいことにこの2つの視点を既に実装していたことは、RPGにそこそこ詳しいおっさんゲーマーならよくご存知かもしれない。Wizardry以前の話だ。

    ポリゴン表現が難しかった時代、限られたメモリで大規模 な地下迷宮を立体的に再現するために擬似3Dダンジョンシステムは画期的。用意するグラフィックは見える範囲の壁があるか無いかを書き換えた数パターンのみ。スプライトを大量に並べる2Dのダンジョンより遥かにメモリを節約できる。CRPG初期の作品はその壁も線画のみのものが多く、細かい模様まで描かれ たダンジョンはマイトアンドマジックあたりまで出てこない。そのかわりマップ自体は非常に広大。Wiz1では20x20x10の計4,000ブロックで構 成されているが、これはドラクエ1の地上の4倍。フィールド型と違って、一歩一歩が生死を分けるダンジョンRPGでこの広さは凄まじい。

    3Dダンジョンは正方形の1マスを1ブロック単位とした方眼上のマップが舞台になることが多い。ここでもうひとつの魅力「マッピング」という楽しみが生まれる。実際には「苦行」と言ったほうが正しいのだが。今のようなオートマッピング機能なんかないから、1マス進むたびにキーボードから 手を離し、方眼紙に壁を書き足してはまた操作、というのを延々繰り返す。時には座標や進行方向を狂わすトラップに遭遇し、それに気づかないままマッピングを続けて、しばらくたってから矛盾に気づき、最初からやり直す…なんてことも。厳しい作業だが、これをやらないとクリアは難しい。それでも、真っ白だった方眼が徐々にマップで埋まっていくのは達成感があったし、マップを作ったおかげである重要なトリックが解明したときの感動ときたら、言葉で伝えるのはなかなか難しい。

    さて、こんなステキなダンジョンRPGだが、相当人を選ぶジャンルとう印象が否めない。相性の悪いプレーヤーが「どこを向いてもみんな同じに見える」と言っては挫折を繰り返すのは否めない。それでも最近はオートマッピング機能が標準装備されたりと、遊びやすい3DダンジョンRPGが増えたことで、随分市民権を得られたことは、ファンとしてとても嬉しい。

    進化型ダンジョンRPG「ダンジョンマスター」


    パソコン性能の向上に伴ってダンジョンRPGが徐々に進化する中、画期的なダンジョンRPGが生まれる。それが「ダンジョンマスター」だ。そう、今回の記事はこのことをメインに書くつもりだったのだ。
    ダンジョンマスターは、ウィザードリィやマイトアンドマジックのような3Dタイプのダンジョン型RPG。ダンジョン深くに住む魔法使いを倒すため、冒険者を召喚してダンジョンに挑む、といったオーソドックスなRPGだが、それまでにはなかった独特のシステムをいくつか採用している。

    時間がリアルタイムに進行する
    従来のダンジョンRPGはコマンド入力型。シミュレーションゲームの側面ももつRPGは反射神経に乏しい筆者にもやさしく、戦闘が始まってもプレイヤーはじっくり戦略を練ることができた。ところがダンジョンマスターは何も操作しなくても時間は進むので、モンスターはこちらの準備不足など気にもとめず、ガンガン攻撃してくる。突然背後から不意打ちを喰らうこともあれば、休息中を襲われることも。密閉された個室で、ビホルダーという巨大目玉のモンスターに寝首を掻かれた経験は、今でもトラウマになっている。このモンスター、魔法でドアを明けてしまうのだ。どこまでも油断らなない。残念ながら、6ゴールドで安全に休める宿屋は存在しない

    ショップがない
    RPGといえば、戦利品を売却し、装備や薬を整える。というルーチンが常識。ところが、ダンジョンマスターには売買という概念がないので、必要なものはすべてダンジョン内で調達する必要がある。しかも、ダンジョン内のアイテムは消耗品も含め原則有限。万が一無くしてしまった場合、回収できなければ二度と手には入らない。重量制限があるから、持てる武器は限られているし、アイテムを盗むモンスターなども登場するからいやらしい。

    食料と水
    ダンジョンマスターでプレイヤーとして生き抜くために重要なステータスはHPやスタミナだけではない。なんとこのゲーム、満腹度や喉の渇きというステータスがあり、どちらも時間経過とともに徐々に減っていく、まさかのローグシステム。もちろん、ダンジョンに喫茶店はない。水は水槽を見つければいくらでも調達できるが食料は限りがあるので、常に節約を考慮しなければならない。

    さわれるダンジョン
    ダンジョンマスターでは、落ちているアイテムのほか、壁にかかっているたいまつ、ボタン、仕掛けなど、おおよそさわれそうな物や場所はすべて直感的に操作できる。手に入れたアイテムは「投げる」こともできて、敵にぶつければリンゴでダメージを与えることもできるし、倒した敵から矢を回収したりもできる。格子の重みで敵を押しつぶしたり、木製の扉なら斧でぶち破れるかもしれない。それらの位置・状態は時間経過や階層移動を繰り返しても初期化されず、その状況を延々と保持している。PRG最高峰スカイリムでもドロップアイテムは時間経過とともに消滅するのだから、コマンド全盛期の当時はとても斬新なシステムだった。

    今でも遊びたい!
    そんなステキダンジョンRPGのダンジョンマスターだが、現在リアルで遊ぶの難しい。会社は既に倒産しており、有志によって開発されたクローン「Return to Chaos」も現時点でアクセスできない。中古ショップでスーファミ版を探すのがもっとも手軽かと思いきや、意外にもIphone版がリリースされている。完成度はともかく、オリジナルに忠実なダンマスが遊べるのは嬉しい。ところが、もっとダンマスの雰囲気を堪能できるアプリが、実は存在する。Quest Lordがそれだ。Quest Lordは、フィールド・ダンジョン・建物がすべて2.5Dで構成された、完全オフラインのRPG。リアルタイム方式こそないが、リンゴを拾う。ドロップアイテムが残る、振り返って一目散に逃げる!など、雰囲気はまさにダンジョンマスター。ボリュームもそこそこあって、日本語化もバッチリ。JRPGの萌えキャラに食傷気味のRPGファンでなくとも、一度はプレイすることをおすすめする。ストイックでダークでシビアでリアルでセンシティブなノスタルジックダンジョンが、そこで待っている。



    コメント
    コメントする








       

    selected entries

    categories

    archives

    recent comment

    recommend

    profile

    BOOKS

    links

    search this site.

    others