スカイリムで、RPGがようやく「ちゃんばらごっこ」に追いついたって事。

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    ロールプレイングゲームの始まりは、ちゃんばらやままごとのような、子供の頃は誰でもやってたごっこ遊びが原型と言われてる。大好きなファンタジーの世界で剣を振り回したり、魔女っ子になったり。それにルールをつけ、能力を数値で表現したTRPGが生まれ、さらにゲームマスターをコンピューターに担当させたのがCRPG。ここまでがRPGの「記号化」の歴史なら、そこからスカイリムまでの道のりにはRPGの「具現化・実体化」の歴史だ。いったんはドライフード化された要素は最新テクノロジーでフレッシュに復元。実在と区別がつかない程にリアルなファンタジーの世界では、脳内補完は必要なくなった。

    ジ・エルダースクロールズシリーズは、広大なタムリエル大陸の各地を冒険するフィールド形RPG。シリーズ2作目からは、どこまでも続く果てし ない箱庭世界が表現されたことで、オープンワールドの概念を創りだした作品として人気を博している。その第5段となるスカイリムでは、大陸の北部、雪と氷 に 支配される寒冷の地を舞台に、壮大なドラゴンの物語が繰り広げられる。

    PCはもちろん、最新のコンシューマ機でも発売されているこのタイ トルは、実世界にも劣らない美しいグラフィックにまず目を奪われる。そして、背景の山々はすべて実在し、登頂することさえできる。机の上のほとんどすべて の小物は取ることができて、興味があれば死体だって運ぶことができる。もちろん、現実にできてスカイリムでできないことはまだまだたくさんあるけど、どう してもオフロに入ったり、お手洗いに行きたい人は、コントローラのポーズボタンを押すことをお勧めする。もっとも、シリーズが続けばこれらも再現されそう で末恐ろしい。

    さらに驚くのは、物理的なリアリティなんてちょっとしたオマケ?とさえ思うほど、世界観が隅から隅まで作りこまれているこ と。TES1時点で実に構想された独自の神話・倫理・概念が、シリーズを重ねる毎に洗練されて深まっている。作中に登場する書物は1000冊を超え、全部 読むだけでも何ヶ月かかるかわからない(そもそもすべての書物を集めることが難しい)。長い戦争で混沌とした時代を描いたスカイリムは、ドラゴンボーンと 呼ばれる特殊な存在となったプレイヤーに、その後の歴史を左右する難しい選択を幾度にわたって委ねる。メインクエストをひととおりクリアするのさえ半年レ ベルの作品なのに、ワンプレイではひとつの歴史しか見ることができない。作中に無数に用意されたサブクエストは、メインクエストをひとつもすすめなくても 一生困らないんじゃないかと思えるほど充実してる。

    スカイリムで賛否別れるバトルシステム。アクションバトルでありながら、反射神経より はスタミナやマジックポイント、スキル等に左右されるバランスは丁度よいと思うけど、同時期の他タイトルと比較するとイマイチ地味?という意見も。個人的 には、矢があたった時に(実際には出ない)派手なエフェクトがビカビカ出るより、ノーエフェクトでスローモーションだけかかった(そして微量の血しぶき w)演出は、モンスターの痛みが重く伝わってくるようで 気に入ってる。

    FF7以降はRPGというジャンル自体にあまりよい印象がなかった。新タイトルが出るたびに
    斬新なシステムや気合の入った演出が導入されるけど、どうも煩雑で的を得てないような気がしてた。がんばってほしいのは、そこじゃないよ、という思いがずっとあった気がする。
    スカイリムはRPGの面白さに原点回帰したような作品だと思う。もちろん斬新なアイデアもたくさんあるけど、あらゆる要素が「リアルの再現」というビジョンで統一されている。

    さ て問題は、これから先のRPGをどう遊ぶか。スカイリムをプレイした今、過去に遊んだRPGは「ビフォアスカイリム」、今後プレイするRPGは「アフター スカイリム」だ。面白さを見つけてあげなきゃ、みたいな親心というか上から目線になるのは大目に見てほしい。スカイリムは、僕の中でRPGというジャンル をひとつ上の概念へ推し進めてしまった、そんな作品だった気がする。






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